# 26 スポーツのパフォーマンスを上げる為に必要不可欠な要素
運動をする上でカラダに求められる事とは
僕は看護師として普段働いていますが、アスレティックトレーナーとして学生アスリートや一般のスポーツ愛好家の方に対して怪我の予防やパフォーマンスアップを目的とした活動もしています。
結論から言うと、スポーツのパフォーマンスを上げたり怪我をしにくいカラダに必要なことは
『体幹の安定』
『股関節と脊柱(胸郭)の柔軟性』
これは陸上、水中関係なくあらゆる全てのスポーツに必要な要素です。
実際に僕のトレーニング指導を受けてもらっている方にもここは特に意識してアプローチしています。(もちろん個人差はあり必要があると評価した人に対してですが)
それでは1つずつ説明していきます。
体幹とは何か
まず体幹ついて簡単に説明します。
体幹とは、頭と手足を除いた胴体の部分のことです。そのため、体幹トレーニングをする際はクランチやシットアップのような腹筋や、バックエクステンションなどの背筋をする人が多くいます。
これは全く運動をしていなかった人が、自宅で簡単に行う運動としてであれば全く問題ないと思います。
もう1つ体幹と同じような言葉で「コア」と言うワードも良く聞くと思います。
コアとは「核」のことで、より体幹部の深い部分のことを指しています。
このコアを更に具体的に専門用語でいうと『インナーユニット』と呼ばれる部分に当たります。
スポーツのパフォーマンスを上げるためには、このインナーユニットが特に重要になってきます。
インナーユニットについて
インナーユニットとは
①横隔膜②腹横筋③多裂筋④骨盤底筋群
の4つの筋肉のことをまとめてこう呼びます。
このインナーユニットの働きをシンプルに言うと
『体幹を固定するのではなく安定させ、手足を動かしやすくし、最適な呼吸を行うこと』です。
僕のトレーニングを受けている学生たちに話を聞くと、体幹トレーニングをクラブや自宅でもしているけど何の為にやっているのかよく分かっていない学生がほとんどです。また本やTVで見た体幹トレーニングのフォームを真似することに一生懸命になったり、同じ姿勢で何分以上耐えれたかを重要視した怪我の原因にもなりかねないことを指導されているケースが本当に多いです。
インナーユニットを機能させるアプローチ方法はたくさんありますが、僕が指導する際に必ず最初に行うアプローチは「呼吸」です。
最も基本的であり重要なエクササイズ「呼吸」
インナーユニットを構成する筋肉の中に横隔膜と言う筋肉があります。
実は横隔膜の役割こそが呼吸なんです。
横隔膜はこのように胸とお腹の境界線になっており、横隔膜が収縮すると下に向かって動きます。そうすると胸のスペースが広がり、間接的に肺を膨らませ空気を吸うことができるのです。
簡単に言うと、肺自身が広がったり縮んだりして空気を吸うのではなく、肺の下側にある横隔膜が動いて肺を広げていると思ってもらって大丈夫です。
(余談になりますが、焼肉で僕が1番好きな部位のハラミは横隔膜です)
トレーニングを指導していてよく見られるのが、腹式呼吸などをしてもらうとお腹を大きく膨らませたり、薄く細くすることが苦手な人がとても多いです。
反対に、お腹を意識して呼吸をさせているのに息を吸う際に肩や首まわりが動いてしまうケースもよく見られます。また呼吸の浅い人も同様に、呼吸時に肩や首回りが動きやすい特徴があります。
これは普段から横隔膜の機能を十分に使えておらず、副呼吸筋と呼ばれる横隔膜以外の筋肉を使って呼吸をしていることで見られるサインです。
副呼吸筋も激しい運動時やより多くの呼吸が必要な場合は横隔膜と一緒に使われますが、普段の生活で呼吸をする際にはそれほど多くは使われないのが正常です。
このように横隔膜の機能が低下している人はお腹の動きをじっくり観察してみるとよく分かります。
自分のお腹への意識が薄いと横隔膜を自由に動かすことができないので、最初にじっくりと呼吸エクササイズを通してインナーユニットにアプローチしていきます。
こうした呼吸を通した横隔膜へのアプローチを行うだけでも、直後に姿勢の変化が起こったり重い物を持っても軽く感じるような現象が起こります。
これは横隔膜を刺激したことで一時的に体幹(コア)が安定し、手足を楽に動かしやすくなった結果の表れです。
少し長くなりそうなので今回は一旦ここまでとします。
次回も横隔膜についてお話したいと思います。
Let's take a step to change your behavior now !